リハビリテーション医学
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片側変形性股関節症における大殿筋筋力の評価
重政 勝之
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1989 年 26 巻 4 号 p. 267-273

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抄録

片側変股症で人工股関節全置換術を行った患者の術前後の大殿筋筋力を,等運動性筋力測定機器と筋電図によって評価した.結果は同年代の健常者の値と比較した.筋力測定では,対象者の平均値は同年代の健常者に比べ最大トルクで35%,瞬発力で29%および持久力で82%であった.最大トルクは術後1年以上でも70%にすぎなかった.筋電図検査は大殿筋と大腿四頭筋に行ったが,通常の大腿四頭筋等尺性収縮訓練の際,大殿筋はあまり活動しておらず,大殿筋も同時に収縮するよう指導することによって,1週間後の大殿筋筋力の測定値は統計上有意に増加していた.また大殿筋の同時等尺性収縮によって,大腿四頭筋の活動も一層増加することが確かめられた.

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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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