1991 年 28 巻 7 号 p. 535-540
機器を用いての股関節外転筋力測定法には,現在,一定の方法がない.われわれは,1980年よりisokinetic machineを用いており,独自に仰臥位で測定可能で,身体の固定に留意した外転筋力測定台を使用している.今回,これを用いて外転筋力測定における種々の条件の違いによる測定値の差について検討した.
速度が遅くなるほど測定値は大きくなるが,身体の固定により測定値は大きく異なる.また,固定が不十分な場合,機器自体はisokinetic運動をしていても股関節は加減速を繰り返し,isokinetic運動をしていないことがわかった.以上のことから,股関節外転筋力測定においては,身体の固定が特に重要である.