抄録
リハビリテーション(以下,リハと略)の分野でも,disuse atrophy (DA)が再び注目されているが,その客観的評価方法は少ない.筋エコーは筋収縮動態をリアルタイムに観察でき,健側および患側のDA検出に優れていることはすでに報告した.今回の脳卒中片麻痺61例の前脛骨筋(両側)のDAの筋内エコー所見のgrade分け(EG)を試み,また同部位の安静時最大筋幅(MDR)および収縮時の変化率(VR)を測定した.DAに相当する変化を患側では全例,健側では89%に認めたが,その程度は患側でより高度だった.加齢・リハの程度・発症後期間などが,DAの程度(健側および患側のEG・MDR・VR)と関連していた.筋エコーはDAの検出と評価に有用である.DAに注目したリハも今後重要となろう.