リハビリテーション医学
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脳卒中患者の発症直後の再発・進行の研究
(第1報)再発・進行頻度と入院時重症度
近藤 克則戸倉 直実二木 立
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1993 年 30 巻 9 号 p. 639-646

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抄録

脳卒中の早期リハビリテーションのリスク管理上重要な発症直後の再発・進行について検討した.対象は発症後第7病日以内入院の全脳卒中患者384人.再発・進行群は入院第14日以内に意識レベル,片麻痺などが悪化した者とし,死亡例を含めた.
その結果,全再発・進行は(1)97人(25.3%)(うち再発6人)にみられ,(2)早期に集中していた.再発・進行頻度は,(3)第1病日の意識障害3桁群で63.0%,意識清明群で3.3%,(4)意識障害1桁群で麻痺がBrunnstrom stage IV以下群で44.1%(意識障害2桁群の42.9%と同水準),V以上群で7.3%と,より重症群で有意に高かった.
脳卒中の再発・進行頻度は,早期に高く入院時重症度と強く関連していると考えられた.

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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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