リハビリテーション医学
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術後心疾患患者における運動療法の効果に関する検討
豊増 功次
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1993 年 30 巻 9 号 p. 657-663

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抄録

術後心疾患患者の運動療法の効果について運動負荷試験および下肢の筋力測定により検討した.対象は運動終了時に得られた最大酸素摂取量(VO2max)の約70%強度に相当する運動療法を行った術後弁膜症患者19例と冠動脈術後患者4例の23例(training group:T群)および運動療法を行わなかった術後弁膜症患者4例(control group:C群).運動療法によりVO2maxはT群でいずれも有意に増大したが,C群では有意な変化を示さなかった.下肢の大腿四頭筋の筋力はT群のうち術後弁膜症患者でもっとも低値であったが,運動療法によりT群はいずれも有意に増大した.術後心疾患患者における運動療法は運動耐容能の改善に有用であった.さらに今後筋力トレーニングの併用によって社会復帰までの期間がより短縮することが期待された.

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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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