膝伸筋・屈筋のピークトルクと電気力学的遅延(EMD)との関係をみるため,健常者28名(男性17名,女性11名,平均年齢20.4歳)を対象に,等速性運動機器KIN-COMと表面筋電計を用いて,求心性・遠心性収縮時(60°/s)のピークトルクと,各運動開始角度でのEMDを測定した.その結果,ピークトルクは,伸筋・屈筋とも,求心性に比べて遠心性収縮相において有意に大きくなった.EMDは,屈筋では,膝屈曲0°に比べて屈曲90°において有意に延長していた.一方,伸筋では各屈曲角度間で有意差がなかった.ピークトルクとEMDとの間には,伸筋・屈筋とも収縮様式にかかわらず,個体間において,相関はみられなかった.