リハビリテーション医学
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口腔・咽頭造影による舌癌術後代償構音の検討
/k/音について
古川 政樹古川 まどか伊藤 元信
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1996 年 33 巻 2 号 p. 115-119

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抄録

舌癌再建手術後症例の代償構音を検討するため,構音時の口腔・咽頭造影を行った.対象症例は16例で,舌の切除範囲は舌亜全摘10例,舌可動部半切6例である.再建材料は遊離腹直筋皮弁が10例,遊離前腕皮弁が5例,大胸筋皮弁が1例であった.軟口蓋破裂音である/k/音では,舌根部の運動が制限されるため正常の構音様式が障害されやすく,代償様式として咽頭破裂音,軟口蓋の挙上抑制,舌から喉頭全体にかけての挙上運動,硬口蓋音の4型が観察された.言語指導を行う際は,症例に適した代償構音の方法を指導することが肝要と思われた.

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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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