リハビリテーション医学
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多数回脊椎手術による脊髄損傷症例の慢性疼痛に対するリハビリテーションアプローチ
平野 弘之渡辺 好博石井 政次
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1996 年 33 巻 7 号 p. 484-487

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抄録

最近,慢性疼痛症候群は一つの疾患単位として研究されている.この慢性疼痛症候群は,しばしば心理・精神的異常を伴い,必要以上に痛みに注意が集中する結果,motivationが低下し,介護されることへの心理的な抵抗がなくなり,廃用症候群を形成しやすいといわれている.心身両面からのアプローチが必要とされるのにもかかわらず,痛みに効果がないと,患者がその診療を拒否するため,治療に難渋することが多い.今回われわれは重篤な廃用症候群に陥っていた慢性疼痛をもつ多数回脊椎手術症例に対し,疼痛緩解手段を検討し,これを用いて積極的に患者に働きかけた結果,発症後21年目にして社会復帰に成功した症例を経験したので報告した.

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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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