Lumboperitoneal(以下,LP)シャント術を受けた脳卒中患者25例を対象として長期追跡調査を行った.11例がすでに死亡しており,有効例の多くが5年以上の間に悪化していた.しかし,3年以上にわたってシャント術の効果が続いた症例もあり,それらは頭部CTでは脳萎縮が軽度で,術後脳室の縮小がみられた例であった.ただし,重度脳萎縮合併例でも,多くの場合,軽度の症状改善は認められた.疾患別では,クモ膜下出血で長期成績が良かったが,脳梗塞,脳内出血では相対的に悪かった.正常圧水頭症様の症状を併発している脳卒中患者で,リハビリテーション訓練の効果が期待できない症例に対して,LPシャント術は検討すべき一治療法と思われる.