2000 年 37 巻 5 号 p. 274-281
脳血管障害患者100名において,脛骨神経SEPから得られたP35からP53までの平方和の比と,運動覚,触覚,痛覚の障害の程度の比較を行い,脛骨神経SEPがどの程度,下肢感覚機能の評価に利用できるかを検討した.その結果,平方和の比は,母趾運動覚と最も相関が高く(Spearmanの順位相関係数0.73),運動覚と触覚が解離した例の検討でも,平方和の比は触覚より運動覚との関連が高かった.SEPを運動覚の検査法として見ると,運動覚障害の有無については感度85%,特異度81%であり,重度障害の有無についても感度73%,特異度90%となり感覚機能の評価法として利用できることが結論づけられた.