2002 年 39 巻 9 号 p. 557-564
神経原性疾患の本質的な病理学的変化である運動単位数の減少を筋電図学的にとらえることを目的として,等尺性筋収縮で動員される運動単位数を計測し,検討を行った.対象は神経原性疾患急性期群5名,慢性期群5名,健常者群5名の第一背側骨間筋とした.方法は各対象者に50,150,300gfの3段階の等尺性収縮を行わせながら筋電図検査を行い,動員されている運動単位数を計測し,各群ごとの比較を行った.結果として,いずれの筋収縮力においても動員運動単位数は健常者群に比較して疾患群では有意に少なく,振幅や持続時間などの基本的なパラメータよりも疾患群と健常者群の弁別性が高かった.