リハビリテーション医学
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皮膚電気刺激および経頭蓋磁気刺激による大脳運動野の興奮性に関する研究
都丸 哲也
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2003 年 40 巻 11 号 p. 757-765

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抄録
18名の健常被験者のうち8名を対象に右示指への電気刺激による感覚入力が右第一背側骨間筋を標的筋とした経頭蓋磁気刺激(TMS)による運動誘発電位(MEP)に与える影響を調べた.その結果,示指刺激後20ms,50~80msでMEPが有意に促通された.次に12名を対象に電気刺激と磁気刺激の刺激間隔を最も促通の大きい70msに固定したペア刺激を0.1Hzの頻度で30分間行い,その前後での大脳皮質の興奮性をMEP振幅およびsilent periodで評価した.ペア刺激直後にMEP振幅は有意に増大し,時間経過とともに刺激前のレベルに戻る傾向を示した.また,silent periodは有意に延長し,同時に記録したF波では有意な変化を認めなかった.以上より示指刺激から50~80ms後のMEP振幅の増大とペア刺激後のMEP振幅の増大の持続は大脳皮質由来によることが示唆された.
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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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