リハビリテーション医学
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微生物分解型トイレ(バイオトイレ)の病院内での使用経験
原田 真一穐山 富太郎進藤 裕幸
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キーワード: バイオトイレ, 使用経験
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2004 年 41 巻 12 号 p. 875-879

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抄録
現在のポータブルトイレは毎回し尿の廃棄と便槽の洗浄が必要なため必ず介護者を必要とし,介護者にも多大な労力と精神的な苦痛を強要していた.近年,便槽内でおが屑とし尿を一定の環境下で攪拌し分解する微生物分解型トイレ(以下,バイオトイレ)が開発された.我々はバイオトイレを介護の場に導入するため現在市販中の3機種の機能を比較し,小型軽量で排気管が不要かつ本体価格,維持費とも安価でメンテナンスが不要な1機種を実際に病院内で使用した.その結果し尿の取替えが不要となるため介護の省力効果は極めて高く衛生的で上下水道も不要であった.おが屑の細菌培養結果も通常では病原性のない菌のみであった.欠点は堆肥のような臭いがあることであった.バイオトイレはし尿の廃棄が不要で被介護者の自立を助け介護者の肉体的,精神的負担を軽減し,衛生的かつ費用対効果も高い.今後臭いの面を改良すれば将来有用な福祉機器になると考えられた.
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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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