日本腎臓リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8253
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慢性腎臓病(CKD)患者のwell-being 実現に向けて 管理栄養士の立場から
:食への興味をなくさない栄養管理の必要性
北島 幸枝
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2022 年 1 巻 2 号 p. 241-246

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抄録

慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者の栄養・食事管理の目的は,患者の栄養・ 身体状態の良好な維持と合併症の発症および重症化を防ぎ,患者の生活の質や日常生活動作を保 つことである。CKD 患者の栄養管理を行う上で,管理栄養士は,患者に必要なエネルギー量や たんぱく質量などを設定するが,個々で身体状態や食生活背景が異なる。特に年齢や身体活動量 により必要エネルギー量は異なるため,一律にガイドラインを用いるのではなく,栄養評価を適 切に行い,患者個別の目安となる摂取栄養素量を設定しなければならない。さらに,数値ではな く実際には食品や料理に変え,具体的な摂取方法や食塩やカリウムなどのミネラル管理の提案が 必要である。個別の具体的な教育ができてこそ,患者自身が生活のなかで無理なく食事療法がで きる。多様化するCKD 患者において,CKD 患者のwell-being 実現には,個別の栄養管理と食 への興味をなくさない教育方法ができる管理栄養士が求められる。

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© 2022 一般社団法人日本腎臓リハビリテーション学会
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