慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)に伴う貧血は緩やかに進行するため,自覚症状に乏しいものの,労作時に易労感,動悸・息切れ,眩暈などの症状が出現する可能性があるため運動療法を安全かつ効果的に行うためには適正な貧血の管理が求められる。また貧血管理が不適切なCKD患者は,Quality of Life(QOL)やActivities of Daily Living(ADL)scoreが低いのみならず,作業生産性が低下している事が報告されている事から,運動療法前に適正な貧血管理を行う事は,運動療法を更に効果的に導く事が期待される。近年透析患者への運動療法の介入により,運動能力の回復や栄養状態・脂質代謝の改善のみならず酸化ストレスの軽減に伴い,血清鉄が上昇し,Erythropoiesis Stimulating Agent(ESA)製剤の使用量が低下した事が報告されている。これらの報告は,運動療法自体が鉄利用障害を改善し,貧血管理をより有効にしている可能性を示唆している。