透析患者は食欲不振による食事摂取量の低下(特に透析日),透析排液中からの栄養素の喪失
などにより,高率に栄養障害(protein-energy wasting:PEW)を認める。透析患者の栄養スク
リーニング法として,主観的包括的栄養評価法が最も一般的であるが,最近は日本人血液透析患
者向けのnutritional risk index for Japanese hemodialysis patients(NRI-JH)が発表されてい
る。一方で,初の国際的な低栄養の診断基準であるthe Global Leadership Initiative on Malnutrition(
GLIM)基準については,現時点で透析患者における有用性は明らかでない。
栄養スクリーニング法で栄養障害を認めた場合,まずは透析日と非透析日の食事摂取量を評価
する。透析日の食事摂取量が少ない時は,透析施設からの食事の提供が有用である。また,必要
に応じて経腸栄養剤による経口からの栄養補充を行うが,特にホエイプロテインを含む製剤が有
用である。透析中静脈輸液(intradialytic parenteral nutrition:IDPN)については,IDPN 単独
では不足した栄養素を十分補えないため,必ず食事や経腸栄養剤による経口摂取と併用する。
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