抄録
わが国においては高齢者の増加に伴い,低栄養にも関連してサルコペニア・フレイルが大き
な社会的問題となってきているが,CKD においてはCKD そのものによる二次性の要素もあり,
状況はさらに悪いことが指摘されている。サルコペニア・フレイルには運動療法と食事療法の併
用が有用とされているが,CKD の食事療法における「制限」とは相容れない側面がある。日本
腎臓学会では「CKD 診療ガイドライン2018」において,CKD の進行を抑制するためにたんぱ
く質制限を推奨している。また,高齢CKD 患者を念頭にした「サルコペニア・フレイルを合併
した保存期CKD の食事療法の提言」も報告され,そのアウトカムのリスクなどを総合的に評価
し,症例によっては運動療法とともにたんぱく質制限を緩和してもよいことが示されている。一
方で,サルコペニア・フレイルの「予防」を考慮したCKD の食事療法については未だに不明な
点が多く,今後における,より詳細な検討と議論が求められている。