抄録
目的:透析を拒むフレイルのある心不全患者に「認知症の人の日常生活・社会生活における意
思決定支援ガイドライン」を用いた看護介入を行った。報告に際し自施設の許可を得た。
症例:患者A は心不全を繰り返す70 歳代の認知症のない女性。治療により胸水が改善せず,
透析療法を提案したがA はそれを断った。再入院時,透析導入に関する意思決定支援を行った。
結果:意思形成支援では過去の病気体験,家族関係や透析への思いを聴き,病態の理解を促し
た。疾病管理が心理的健康や動機づけにつながると考え,意思表明支援では今後の生活の希望の
表出を促した。意思実現支援では,入退院の経過が役割喪失につながった体験から入退院予防が
身体機能維持・向上につながるという理解から,A が自ら透析療法を知りたいと語った。
結語:認知症の有無に関わらずプロセスを意識した意思決定支援により,A は身体・心理的な
認識が促され透析療法の必要性を理解した。