2025 年 14 巻 6 号 p. 371-376
症例は76歳男性.肺腺癌(cT4N3M1a Stage IVA,EGFR変異陽性,PD-L1発現:1~24%)の診断で,オシメルチニブ(osimertinib)の一次治療後に再発.PET-CTで胃に異常集積を指摘され,内視鏡検査で進行胃癌(cT3N1M0 Stage IIB)を認めたため重複癌と診断した.肺癌二次治療としてカルボプラチン(carboplatin)+ペメトレキセド(pemetrexed)+ペムブロリズマブ(pembrolizumab)の併用療法を実施した結果,肺癌は部分奏効,胃癌は完全奏効を示した.免疫チェックポイント阻害薬併用化学療法が重複癌に対して有効である可能性が示唆された.