2025 年 14 巻 6 号 p. 386-389
症例は49歳,男性.20歳時に肺結核症の治療歴がある.胸部異常陰影の精査目的に当院を受診した.右肺上葉に石灰化を伴う陳旧性結核病変および3個の結節影を認め,その1病変より生検を実施したところ定型カルチノイドと診断された.ロボット支援下右肺上葉切除および縦隔リンパ節郭清を施行し,残る2病変は乳頭腺癌,大細胞神経内分泌癌と診断された.陳旧性肺結核病変を背景とした右肺上葉に,異なる組織型の三重多発肺癌を同時に発症した若年例であり,結核と発癌の関連性を示唆する貴重な症例と考え報告する.