抄録
口唇呼吸法の有用性の検討のため, そのモデルとして呼気抵抗負荷を行い, 肺局所換気改善効果をXe-133gas洗い出し法により定量的に評価した. 本研究はγ-カメラ信号と換気量及び呼吸位相信号の同時収録を可能とし, 肺局所換気の指標として局所Xe-133カウント数の半減に要する呼吸数 (B1/2) を考案した. 本法により呼気抵抗負荷による慢性肺気腫患者の肺局所換気改善が明らかにされた. また, 呼気抵抗負荷による肺局所換気改善が呼吸運動様式の変化によるものでないことを解明し, 口唇呼吸の有用性を確認した. 呼気抵抗負荷による肺局所換気改善は呼気閉塞現象の緩和によることが示唆された. 本法は, 慢性閉塞性肺疾患の病態解明, リハビリテーションの適応決定や指導にきわめて有用な検査法と考えられる.