抄録
正常例も含めて各種肺疾患に対して81mkrの持続静注および持続吸入にて Normalize されたVA/Q画像をつくりVA/Q分布を調べ次の結論を得た. 1) VA/Q分布は坐位において次の4つのタイプに分けることができる. I型は正常肺にみられ, 肺尖で高値で肺底で低値. II型はVA/Qの最高値が肺尖部最上部ではなく, やや下肺にあり肺底に近づくにしたがい低値となる. III型は肺尖と肺底で差はない. IV型は逆に肺底で高く肺尖で低いパターン. 2) 各種肺疾患を上記分類にわけると肺気腫はI型, 慢性気管支炎はII型, 間質性肺炎はIV型を示すものが多かった. 3) VA/Q分布の低値 (0.75) の占める面積の各肺に対する割合い (%0.75) を検討すると%0.75とPaO2とはr=-0.579 (p<0.01) で相関を示した. 4) %0.75値とFRC/TLCとは比例傾向にあった. 5) VA/Qの変動係数は正常に比して肺気腫, 間質性肺炎で大きく, 慢性気管支炎でさらに大きかった.