日本胸部疾患学会雑誌
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気管支喘息における吸入ステロイド薬の位置づけに関する検討
ステロイド依存例に対する全身性ステロイド薬減量方法の検討
中島 重徳宮本 昭正小林 節雄長野 準
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1985 年 23 巻 2 号 p. 188-198

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抄録

全国19研究機関の協力を得た retrospective な調査結果にもとづき, ステロイド依存性気管支喘息患者に対する beclomethasone dipropionate inhaler によるステロイド薬 (ス薬) 減量方法について検討した. ス薬減量に対する影響因子としては, 重症度, 使用ス薬の種類および維持量が主な因子と考えられ, 中等症例におけるス薬減量は重症例に比し容易であった. 重症例においては, Prednisolone (Pred.) 5mg/日以下例および triamcinolone acetonide 使用例での減量は比較的容易であったが, pred. 10mg/日以上例では5mg/日程度まで減量後の減量離脱は困難で, betamethasone (beta.) 使用例では1年で半量程度の減量であった. ス薬減量効果にもとづくpred. とbetaとの効力比は, 副腎機能抑制作用にもとづく場合とほぼ同等で, 1:20~35と考えられ, 抗炎症効力比にもとづくpred. 換算量比によりス薬減量計画を設定してはいけないと考えられた.

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