日本胸部疾患学会雑誌
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ハイドロコーチゾン・サクシネート塩剤にてアナフィラキシー様症状を呈したアスピリン喘息の3例
村田 嘉彦吉野 邦雄佐藤 信英大石 不二雄倉島 篤行
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1985 年 23 巻 3 号 p. 375-379

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抄録

ハイドロコーチゾン・サクシネート塩剤 (サクシゾン) の投与によりアナフィラキシー様反応を呈したアスピリン喘息の3例を経験し, 若干の検索を行なった. 症例1は42歳男性でアスピリン製剤内服後の喘息発作歴があり, サクシゾンを静注したところ心停止, 呼吸停止をきたした. 症例2 (30歳男), 症例3 (39歳男) もともにアスピリン製剤による発作誘発歴があり, サクシゾン静注後に激しい喘息発作を経験した. スルピリンとサクシゾンによる吸入誘発は3例とも陽性, 皮内即時型反応はサクシゾンで2例に陽性, うち1人はプレドニゾロンにも陽性であった. P-K反応はサクシゾンに2例で陽性であったがヒスタミン遊離テストは3例とも陰性であった. 以上の結果より, これらハイドロコーチゾンによるアナフィラキシー様反応には一部で即時型過敏反応が関与していると思われる.

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