日本胸部疾患学会雑誌
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慢性閉塞性肺疾患におけるP0.1と加横隔膜筋電図の相互関係-CO2と粘性抵抗の影響
山本 宏司秋山 也寸史稲葉 秀一鈴木 章彦西村 正治岸 不尽弥川上 義和
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1986 年 24 巻 3 号 p. 272-280

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抄録
慢性閉塞性肺疾患 (COPD) 患者8例とほぼ同年齢の健常人4例に対して, CO2換気応答時のP0.1と横隔膜筋電図 (EMGdi) の相互関係に及ぼす17cmH2O/L/sの粘性抵抗負荷の影響を検討した. 健常人では, 粘性抵抗負荷時にΔP0.1/ΔEMGdiは全例増加した. これに対して, COPD患者では3例が軽度増加し, 5例が減少し, 平均値としては減少した. COPD患者のΔP0.1/ΔEHGdiの増加あるいは減少の程度と過膨張の程度には相関がなかった. 以上のことから, COPD患者では粘性抵抗負荷時の“neuromechanical coupling”の増加が認められなかった. この原因として, 過膨張以外の要因が関与すると考えられた.
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