日本胸部疾患学会雑誌
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各種肺疾患における血清及び気管支肺胞洗浄液のタイプIIIプロコラーゲンNターミナルペプタイドおよびフィブロネクチンの検討
高田 勝利浅井 学宮地 厚雄柿原 秀敏佐道 理文荒川 啓基野田 正治伊奈 康孝山本 正彦森下 宗彦
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1988 年 26 巻 6 号 p. 594-601

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抄録

各種びまん性肺疾患110例について, 血清および気管支肺胞洗浄液 (BALF) のタイプIIIプロコラーゲン (PIIIP) とBALFフィブロネクチン (FN) を測定し, びまん性肺疾患の病態との関連を検討した. 血清PIIIPはIIP, 肺結核, 塵肺で正常より高値を示した. BALF・PIIIPではサ症, IIPで高値を示し, またサ症病期ではII期および活動期に高値を示し, IIPでは急性型で高値を示した. BALF・FNもサ症, IIPで高値を示し, またそれぞれ活動期, 急性型で高値を示した. これらの結果より, サ症, IIPの活動期には血清およびBALF・PIIIP,BALF・FNはともに上昇するが, 既に線維化が完成したと思われる病態では低下し, PIIIP, FNは活動性の指標となるが, 線維化の診断には有用でないものと思われる.

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