日本胸部疾患学会雑誌
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メトプロロールが奏効した慢性型過換気症候群の1例
末永 直人林 文明片岡 康雄宮内 伸夫西岡 安弘黒須 功北田 修杉田 實
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1988 年 26 巻 8 号 p. 898-903

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抄録
37歳の女性が呼吸困難感, 四肢の冷感, 頭痛, 易疲労感, 動悸を主訴に入院した. 臨床症状および慢性呼吸性アルカローシスを呈していたことより, 慢性型の過換気症候群であると考えられた. 2分間の過換気誘発試験後における終末呼気炭酸ガス分圧 (PETCO2) の回復速度の低下や呼吸モニター上の不規則かつため息の多い呼吸パターンが認められ, 本疾患に特有なものであると考えられた. メトプロロールの投与が本症例において, 自覚症状や血液ガス所見の改善に有効であった. メトプロロールとジアゼパム投与により, 過換気誘発試験における Beumer's index の陰性化やCO2-換気応答性の増加が観察された.
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© 日本呼吸器学会
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