日本胸部疾患学会雑誌
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特発性間質性肺炎に於ける肺局所のCEAおよびCA19-9の検討
塩田 雄太郎古谷 敬三北出 公洋上田 暢男
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1989 年 27 巻 8 号 p. 887-893

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抄録
特発性間質性肺炎 (IIP) 患者21名, 健常人7名に気管支肺胞洗浄 (BAL) を施行しBAL液中のCEA及びCA19-9を測定した. IIP患者のBAL液中CEA及びCA19-9濃度は健常人に比し有意に高い値を示した. またBAL液中CEA及びCA19-9濃度はBAL液中細胞分類のうち好中球百分率と有意の相関を示した. またIIP患者の剖検肺を使用してCEA, CA19-9の局在を免疫組織学的に検討した. CEAは細気管支から肺胞にかけての上皮細胞にその局在が見られた. 特に肺胞領域ではII型肺胞上皮細胞の増生が見られる領域に著明であった. CA19-9は肺胞領域にはその局在は見られず細気管支領域に局在が見られた. これらの腫瘍マーカー特にCEAは, IIPの病態を評価する上である程度の指標になりえるものと思われた.
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