日本胸部疾患学会雑誌
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後縦隔腫瘍と鑑別を要した巨大食道平滑筋肉腫の1例
木村 啓二円谷 智夫黒沢 一中山 勝敏林 雅人
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1991 年 29 巻 12 号 p. 1638-1643

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抄録

症例は67歳女性. 健康診断の胸部X線検査で後縦隔に巨大な腫瘤陰影が認められ, 後縦隔腫瘍 (疑) にて入院した. 針細胞診および血管造影より食道平滑筋肉腫が疑われ, 腫瘍核出術が施行された. 腫瘍は胸部下部食道から発生しており, 23×13×13cm, 重量1,110grの巨大な腫瘤で, 病理学的に平滑筋肉腫と確定診断された. 食道平滑筋肉腫はまれな疾患であり, なおかつ嚥下困難などの症状がほとんど無いまま, 後縦隔腫瘍と鑑別を要するほど巨大に発育した例は希有と考えられ報告する.

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