抄録
症例: 24歳, 女性. 急性上気道炎に対してミノサイクリン (MINO) の投与を受け, その後咳嗽, 呼吸困難, 血痰が出現し当科に入院した. 入院時の胸部X線写真では, 両側の胸水および肺門より広がる浸潤影を認め, 動脈血ガス分析では著明な低酸素血圧を呈していた. 入院後, MINOの投与を中止したところ, 自覚症状, 胸部X線写真所見, 呼吸不全は速やかに改善した. MINOによるリンパ球刺激試験は陰性であったが, 臨床経過および病理組織所見からMINOによる薬物性肺炎および胸膜炎と診断した.