日本胸部疾患学会雑誌
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いわゆる「内視鏡的 Endobronchial Metastasis」例の検討-Endobronchial Metastasis の考え方-
塚本 東明長沢 正樹山田 敬子佐藤 徹
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1992 年 30 巻 4 号 p. 609-613

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抄録

過去11年間に気管支内視鏡検査を施行した転移性肺腫瘍36例中気管支内視鏡的に気管支内腔に腫瘍の発育を認めるいわゆる「内視鏡的 Endobronchial Metastasis」例は6例 (大腸癌2例, 前立腺癌2例, 腎癌1例, 舌癌1例) あった. 6例の内視鏡所見はポリープ型腫瘍が5例, 広範な隆起性病変が1例で, ポリープ型例では全例で気管支のほぼ完全な閉塞所見がみられた. 胸部レ線所見では気管支壁転移の特徴とされる無気肺様陰影は3例のみで, 残り半数は肺野結節影であった. 切除肺, 胸部CT所見, 胸部X線所見等から転移巣の初期増殖部位を推定した結果, 末梢肺転移巣からの進展が3例, 縦隔リンパ節転移巣からの浸潤が1例, 推定困難2例であった. 以上の結果から, 内視鏡的 Endobronchial Metastasis という名称は気管支壁内転移を意味するものではなく, 単に胸腔内に転移した腫瘍が増大し, その一部が気管支壁や気管支腔内にまで進展した状態を多く含むと思われた.

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