日本胸部疾患学会雑誌
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経過中に高度の腎不全を示し, 副腎皮質ステロイド治療で改善したサルコイドーシスの一剖検例
滝沢 始大田 健小林 信之石井 彰鈴木 修二奥平 博一宮本 昭正伊藤 幸治
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1992 年 30 巻 4 号 p. 648-652

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抄録

62歳女性. ブドウ膜炎と胸部レ線異常で発見され, 皮膚生検にてサルコイドーシスと診断された. 同時期に臨床的肝硬変を示したがサルコイドーシスとの関連は不明であった. 2年後腎不全が発見され, 副腎皮質ステロイド投与によって劇的な改善をみた. 発症から6年後に動脈硬化性の脳梗塞で死亡した. 高カルシウム血症が先行したこと, プレドニゾロンに反応したことと剖検所見などから, 腎障害はサルコイドーシスにもとずくものであった可能性が示唆された. サルコイドーシスに伴う腎障害は副腎皮質ステロイドに反応性の事が多く試みる価値があると考えられた.

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