1993 年 31 巻 3 号 p. 336-340
LPS誘発透過性亢進の機序を検討するため, 培養肺血管内皮単層のアルブミンに対する透過性を測定した. Protein kinase C (PKC) 活性化剤であるPMA, SC-9はアルブミンに対する透過性を亢進させず, PKC阻害作用の強いH7はLPS誘発透過性亢進を抑制しなかった. これに対し, PKC以外の protein kinase 阻害作用の強いH-8および calmodulin 拮抗剤はLPS誘発透過性亢進を抑制した. 本成績は, LPS誘発透過性亢進の機序にPKC以外の protein kinase や calmodulin が関与することを示唆した.