抄録
症例は20歳男, 19歳女. いずれも発熱, 乾性咳嗽, 呼吸困難にて急速に発症し, 胸部X線写真上びまん性スリガラス状陰影を呈した. またBALにて総細胞数の増加と好酸球分画の上昇を認め, TBLBにて胞隔に好酸球を主体とする炎症細胞の浸潤がみられ, acute eosinophilic pneumonia と診断した. さらに環境誘発試験前・後でBALF中総細胞数の増加と好酸球分画の上昇を認め, Trichosporon cutaneum と Trichoderma virideに対する血清沈降抗体が陽性を示した. 本症の原因は今だ不明であるが, 夏型過敏性肺炎との異同を考える上で貴重な症例と考えられたため報告した.