日本胸部疾患学会雑誌
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ステロイド吸入療法が有効であったアレルギー性気管支肺カンジダ症の1例
岩橋 徳明中野 孝司湯浅 隆司前田 重一郎相原 信之竹中 雅彦波田 寿一東野 一彌
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1993 年 31 巻 7 号 p. 908-912

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抄録

症例は49歳女性. 咳嗽, 喀痰, 呼吸困難で某医を受診した. 気管支喘息との診断で経過中, 胸部X線写真で肺炎像を指摘され, 抗生剤投与を受けるも改善しなかったため, 当科に入院となる. 胸部X線写真で移動性で多発性の浸潤影を認めたこと, 末梢血好酸球の著明な増加を認めたこと, Candida albicans に対する即時型皮内反応と特異的IgE抗体が陽性であったことより, アレルギー性気管支肺カンジダ症と診断した. amphotericin B の吸入と methylprednisolone の内服によって速やかに改善し退院したが, ステロイドの投薬を中止すると再燃した. そのため beclomethasone dipropionate と procaterol hydrochroride の併用吸入療法を開始し, 3週間後喘息発作, 胸部浸潤影ともほぼ消失した.

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