抄録
症例は36歳男性. 10歳時に, 気管支端息を発症. 以後, 咳嗽, 喘鳴の増悪と寛解を繰り返した. 昭和60年の胸部検診以来, 繰り返す肺野浸潤影が出現し, 末梢血好酸球増多血清IgE高値, 中心性気管支拡張を認めている. 喀痰培養では Cladosporium が1回検出され, Aspergillus fumigates と Penicillium は頻回に検出されている. 上記3真菌に対する皮内テスト・IgE-RAST・沈降抗体・吸入誘発試験にて, すべて陽性を示した. 以上より A. fumigatus, Penicillium の関与が強く考えられ, 更に Cladosporium の関与の可能性も示唆されたアレルギー性気管支肺真菌症と考えられた.