日本胸部疾患学会雑誌
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液体経皮消炎鎮痛剤「ケトプロフェン」塗布により誘発されたアスピリン喘息の1例
田中 直彦小林 弘祐三藤 久佐藤 哲也小倉 建夫高田 信和阿部 直冨田 友幸
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1994 年 32 巻 4 号 p. 378-381

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抄録

症例は40歳女性.経皮的に非ステロイド性抗炎症剤 (NSAID)「ケトプロフェン」を全身に塗布し約3時間後に重篤な喘息発作を発症し緊急入院した. 患者は, 以前セデスG®内服後約20分で喘息発作を起こした既往があり, アスピリン喘息と診断されており, 他院で喘息の通院治療を受けていた. 本例において以前のNSAID内服後の発作は, 服用後約20分後に起こっているのに対して今回の発作はNSAID塗布から発症まで約3時間を要しており, 発作までに要する時間の違いは吸収経路の違いを反映していると考えられた. また, 喘息発作の重症度は, 吸収されたNSAIDの量に関係しているものと思われた.

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