日本胸部疾患学会雑誌
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家族内発症したウエステルマン肺吸虫症の2例
大渡 五月雪竹 基弘菅原 啓介坂井 二郎山本 英彦
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1994 年 32 巻 5 号 p. 476-479

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抄録

親子で同時に, モクズガニを摂食. 1ヵ月後に息子が胸水貯留で発症, 10ヵ月後に母親が血痰, 咳嗽, 胸部X線上結節性陰影で発症した. 両者とも末梢血で好酸球増多を示し, 免疫血清学的検討により, いずれもウエステルマン肺吸虫症と診断され, ビチオノール投与で症状軽快し, オクタロニー法での沈降線も完全に消失した. 両者は同時期に感染したと考えられるが, 発病時期および臨床症状が異なっており, ウエステルマン肺吸虫症の宿主体内移行路を考える上で興味深いと考えられる.

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