日本胸部疾患学会雑誌
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一卵性双生児の双方に発症したサルコイドーシス
吉川 隆志山本 真稲葉 秀一永井 達夫寺井 継男
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1994 年 32 巻 6 号 p. 610-615

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抄録
一卵性双生児の一方にサルコイドーシスを発見し, その1年後他方が発症した一卵性双生児の姉妹例を経験した. 症例1は22歳, 女性. 昭和61年1月, 左足が化膿し近医を受診したところ頸部リンパ節の腫大を指摘され当院を受診した. 胸部X線写真では両側肺門リンパ節腫大を認め, 左鎖骨上窩リンパ節の生検では乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫を認めた. 症例2は23歳で症例1の一卵性双生児の妹である. 昭和62年3月職場の検診で異常陰影を指摘され4月24日当科入院となった. 胸部X線写真で両側肺門リンパ節腫大を認め, 経気管支肺生検では, 乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫を認めた. 本症の病因として遺伝要因の関与が重要と思われた.
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