1994 年 32 巻 8 号 p. 809-813
症例は19歳の男性で, 主訴は左胸痛であった. 左第5肋骨に有痛性腫瘤を認めた. 第5肋骨に骨融解性の腫瘍を認め, 肋骨部分切除術を施行した. 摘出標本の病理学的検索では, 組織球様細胞の増殖と好酸球浸潤による肉芽腫を認め, S-100蛋白陽性であり, 好酸球性肉芽腫とした. その後, 骨病変の再発 (下顎骨, 側頭骨, 頬骨, 肩甲骨, 右第11肋骨, 脛骨) を繰り返したが, 放射線照射が局所療法として有効であった. 更に初発時より画像上肺病変の存在が示唆されたが, 6年間無症状で著変を認めなかった. 今後も骨病変の再発のみならず, 肺病変も含めた長期的観察が必要と思う.