日本胸部疾患学会雑誌
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Respiratory bronchiolitis-associated interstitial lung disease の1例
岩田 政敏井田 雅章北 倫子堀口 倫博佐藤 篤彦
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1994 年 32 巻 8 号 p. 803-808

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抄録

Respiratory bronchiolitis-associated interstitial lung disease の本邦初症例を報告した. 症例は48歳, 男性. 喫煙指数は720. 半年間続く乾性咳漱を主訴に来院. 胸部X線上両側に網状陰影がみられた. CTではスリガラス状の淡い肺野濃度上昇がみられ, 小葉中心性分布を呈していた. BALではマクロファージが99.5%を占めていた. 胸腔鏡下肺生検を施行したところ, 間質の肥厚ならびに肺胞腔内の病変は小葉を中心とする分布を示し, 強拡大像で呼吸細気管支, 終末細気管支壁ならびに周囲肺胞隔壁は軽度のリンパ球浸潤と線維化により肥厚し, 肺胞腔内には褐色調のマクロファージの集簇が認められ, この所見から本症と診断した. 本症はDIPとの鑑別が臨床的に重要である.

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