両側胸郭成形術後30年経過した肺結核後遺症患者の呼吸機能および胸部X線を retrospective に調べた. 10年以上経過の追えた患者 (N=13) における肺活量VCおよび1秒率FEV1% (=FEV1/FVC*100) の年変化量はそれぞれ15.5±5.0ml/年および0.546±0.380%/年であった. 術後30年 (N=21) のVC920±180ml (%VC 28.4±5.3%), FEV1%66.2±13.7%であり, 約半数に軽度閉塞性障害を認めた. FEV1%は喫煙, 喀痰の有無, 側弯症の程度などとは関係なく, 胸部X線上切除肋骨本数の少ない側の肺門から横隔膜までの鎖骨中線上の高さを身長で除した量と負の相関 (r=-0.681, p<0.001) を認めた. 以上の結果は一側肺切除術後肺結核後遺症患者の場合とよく似ていた. 胸部X線 (N=13) は平均26年の経過中に側彎症の程度, 最も屈曲している椎体, 肺野, 横隔膜の位置などは変化しなかったが心胸郭比は増大した.