日本胸部疾患学会雑誌
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職業性石綿曝露が推察される Desmoplastic malignant mesothelioma の1症例
松澤 邦明濱田 薫徳山 猛米田 尚弘成田 亘啓澤端 章好飯岡 壮吾今井 俊介坂口 泰弘宮高 和彦
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キーワード: 悪性胸膜中皮腫, 石綿
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1995 年 33 巻 11 号 p. 1288-1292

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抄録

症例は43歳, 男性, 胸痛を主訴に来院した. 右胸水, びまん性の胸膜肥厚を認め, 胸膜生検で悪性胸膜中皮腫と診断した. 右肺・胸膜全摘術を施行, 手術標本を光顕的・電顕的に検討, 腫瘍細胞は大部分肉腫様であったが一部に上皮様細胞を認めた. また腫瘍内に線維性成分を50%以上認め Desmoplastic malignant mesothelioma (混合型) と診断した. 術後早期に転移を来たし術後約2ヵ月で死亡した. 剖検肺内の含鉄 (石綿) 小体数を溶解法にて計測, 職業性石綿曝露を証明した.

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© 日本呼吸器学会
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