日本胸部疾患学会雑誌
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アザチオプリンが有効であった混合性結合組織病に伴う間質性肺炎の1例
鈴木 道明清水 孝一坂本 匡一岩瀬 彰彦青木 茂行松岡 緑郎永山 剛久北村 諭
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1996 年 34 巻 1 号 p. 101-105

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抄録

症例は55歳男性. 労作時呼吸困難を訴え, 初診した. 症状, 所見より混合性結合組織病とこれに伴う間質性肺炎と診断された. 入院後, 間質性肺炎が急性増悪し, ステロイドパルス療法を計3回施行し, さらにシクロフォスファミドの投与も行ったが, 治療抵抗性であり呼吸状態が悪化した. ステロイド剤にアザチオプリンを併用したところ, その後呼吸状態が改善した. 以前より混合性結合組織病に伴う肺病変は予後良好とされてきたが, 最近, ステロイド抵抗性で経過不良例の報告も多い. このような症例に対する免疫抑制剤の投与については有効薬剤の種類, 投与時期などのい定の見解がない. 本症例の間質性肺炎に対してはステロイドと併用したアザチオプリンが有効であったと考えられる. その後, アザチオプリンを継続投与し, ステロイド剤を漸減しているが, 2年の経過中, 再燃を認めていない.

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