抄録
症例は24歳, 女性. 気管支喘息中等発作にて救急外来を受診し入院となったが, 翌日, 呼吸困難感が増強し, 低酸素血症も進行した. 胸部単純X線写真では, 左上肺野の透過性が亢進している Unilateral hyperlucent lung で縦隔気腫, 皮下気腫も合併していた. その後 Unilateral hyperlucent lung をきたす疾患を鑑別し, Swyer James 症候群と診断した. 本症候群に関して本邦で約100例の報告があるが, 喘息発作を契機に縦隔気腫を来した報告を検索し得た限りではなかった. 非常に稀な病態と思われるが, Swyer-James 症候群の気腫化病巣は脆弱化していると考えられ, 喘息発作のように気道内, 肺胞腔内圧が亢進している状態では皮下気腫, 縦隔気腫を併発する可能性があると思われる.