日本臨床外科学会雑誌
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症例
空腸結腸瘻を形成した小腸原発悪性リンパ腫再発の1手術例
田口 昌延佐藤 宗勝上田 和光石川 晶久品川 篤司奥村 稔
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2007 年 68 巻 10 号 p. 2532-2537

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抄録

症例は73歳, 女性. 2002年5月, 悪性リンパ腫による小腸狭窄で近医で小腸切除と術後に化学療法を施行. 2005年11月, 頸部リンパ節に再発を認め化学療法を施行しリンパ節再発は消失した. 2006年1月頃よりイレウス症状が出現し軽快, 再燃を繰り返していた. 10月にイレウスの診断で当院入院となった. イレウス管を挿入したが症状は軽快せず, チューブは上部空腸から下行結腸へ挿入された. CT検査では空腸と下行結腸が膿瘍腔を介した瘻孔を形成していた. 小腸悪性リンパ腫の再発を強く疑い手術を施行した. Treitz靱帯近傍の空腸周囲に腫瘍を認め, 空腸と横行結腸, 下行結腸へ浸潤を認めた. 各々腸管は腫瘍を介した瘻孔を形成していた. 腫瘍を空腸, 結腸を一塊にして切除した. 病理検査で悪性リンパ腫の再発と診断した. 術後は良好に経過し, 追加治療として化学療法を施行した.

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© 2007 日本臨床外科学会
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