日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔内出血で発症した急性膵炎の1例
和城 光庸草塩 公彦安富 淳松本 正成鈴木 秀宮崎 勝
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キーワード: 急性膵炎, 腹腔内出血
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2007 年 68 巻 12 号 p. 3083-3086

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抄録

症例は56歳, 男性. 急激な腹痛にて来院. 来院時腹部は板状硬で, 血液検査上RBC 286万, Hb 9.4と貧血認め, その他, Amy 195, γ-GTP 176と軽度の異常を示し, 腹部CTにて多量の血性腹水および膵体尾部の腫大を認めた. 徐々に血圧の低下を示しため, 緊急開腹術を施行した. 術中所見上, 膵体尾部は腫大し, 膵周囲後腹膜から腹腔内に連続する血腫が形成されていたため, 膵体尾部切除および脾摘術を施行した. 病理組織検査上, 膵周囲脂肪組織壊死, 膵周囲組織の出血性変化, 膵実質および膵管内出血を呈し, 急性膵炎による膵周囲血管の破綻を原因とする腹腔内出血と診断された.

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© 2007 日本臨床外科学会
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