日本臨床外科学会雑誌
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症例
FDG-PET陽性にて転移性腫瘍と鑑別が困難であったSchloffer腫瘤およびBraun腫瘤の1例
前田 和成足立 淳橋本 憲輝高野 尚史内山 哲史
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キーワード: Schloffer腫瘤, Braun腫瘤
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2007 年 68 巻 12 号 p. 3106-3109

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抄録

症例は47歳, 男性. 2005年11月, 直腸癌に対し低位前方切除術, D3リンパ節郭清を施行した. 2006年11月のCTで下腹部正中創部に径18mmの腫瘍を認めた. FDG-PETを施行したところ, CTで指摘された部位と, 腹腔内腹壁近傍に集積を認めた. 腫瘍マーカーはCEA, CA19-9ともに基準値内であった. 直腸癌の転移性腫瘍を疑ったため, 2006年12月, 腫瘍摘出術を施行した. 1つは腹壁内から膀胱に接する位置に, 1つは大網に包まれていた. 病理組織検査にて, Schloffer腫瘤およびBraun腫瘤と診断され, 悪性所見は認めなかった. FDG-PETにて集積を認める腫瘍の場合, 転移性腫瘍との鑑別としてSchloffer腫瘤およびBraun腫瘤も考慮に入れる必要があると思われた.

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© 2007 日本臨床外科学会
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