日本臨床外科学会雑誌
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症例
腋窩腫瘤を初発症状とした潜在性乳癌の2例
甲斐崎 祥一佐貫 潤一内田 惠博木村 聖美吉川 善子名川 弘一
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2007 年 68 巻 2 号 p. 297-301

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抄録
症例1は50歳, 女性. 主訴は左腋窩腫瘤. 乳房を含めた全身検索で原発巣不明, 針生検で乳癌のリンパ節転移相当と術前診断された. 左腋窩リンパ節郭清術 (Level III) を施行し, 病理診断も乳癌の腋窩リンパ節転移であった. 症例2は66歳, 女性. 主訴は左腋窩腫瘤. 乳房を含めた全身検索で原発巣不明, 針生検で乳癌の腋窩リンパ節転移, 異所性乳癌あるいは乳房腋窩部 (C') の乳癌のいずれか鑑別困難であった. 腫瘤と切除断端の距離を2cm以上とり, 腫瘤に連続して乳房腋窩部 (C') を含むように腋窩リンパ節郭清 (Level II) を行い, 乳癌の腋窩リンパ節転移の病理診断に至った.
潜在性乳癌に対する標準的治療法は確定していない. とくに画像診断を駆使しても乳房病変を検出し得ない場合, 乳房に対する外科的治療の是非は議論のあるところである. 治療開始の際には, 患者へ十分な説明を行った上で方針を決定する必要がある.
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© 2007 日本臨床外科学会
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