日本臨床外科学会雑誌
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症例
術後11年目に直腸に転移し, ホルモン療法で長期コントロールされた乳癌の1例
須田 健海瀬 博史太田 大介芹沢 博美河野 範男青木 達哉
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2007 年 68 巻 2 号 p. 302-307

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抄録
61歳, 女性. 1993年に左乳癌にて胸筋温存乳房切除術, 腋窩リンパ節郭清施行. 病理組織学的診断は浸潤性小葉癌n=8/12, Estrogen receptor (ER) (+), Progesterone receptor (PR) (+). 術後放射線療法 (左鎖骨上, 左腋窩, 傍胸骨) 50Gy施行. 術後薬物療法はクエン酸タモキシフェン (20mg/day) とフルオロウラシル (200mg/day) を3年間投薬. 術後10年無再発にて経過. 2003年8月より下腹部痛出現. 経過観察していたが症状増強するため, 2004年7月に下部消化管内視鏡検査を施行. 直腸に全周性の発赤と狭窄を認め, 同部位の生検結果は低分化腺癌であった. 腫瘤を形成しないびまん性病変で, 直腸癌としては非典型的のため乳癌転移も疑い免疫染色を施行した所, 乳腺原発巣と同様にER (+), PR (+) であった. 以上より乳癌直腸転移と診断し, エキセメスタン (25mg/day) の内服を開始した. 内服2カ月後より腹部症状は軽快し, 22カ月経過し現在も外来通院している.
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© 2007 日本臨床外科学会
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