抄録
症例は59歳の男性で, 腹満, 便秘を主訴に来院した. 腹部全体に巨大な腫瘤を触知し, 腹部造影CTとMRIにて左横隔膜から骨盤底に及ぶ約40×19cm大の巨大な充実性腫瘍を認めた. 経皮的針生検でgastrointestinal stromal tumor (以下, GIST) と診断し手術を施行した. 腫瘍は胃を巻き込むように存在し, 噴門側胃切除, 膵尾部, 脾, 左副腎, 左横隔膜合併切除にて腫瘍摘出が可能であった. 摘出された検体は40×27×20cm, 重さ4,860gであった. 初回手術1年後に肝転移巣が発見され, 摘出術を施行後イマチニブ内服が開始された. 初回手術から3年7カ月経過した現在, 画像上新たな再発を認めていない. GISTは症状の特異性に乏しく, しばしば巨大化した進行例を経験する. 自験例は報告されたGIST切除例の中で最大であり, 手術を含めた集学的治療により良好な結果を得ることができた興味深い症例と考え報告する.